MONOCHRONICK

一度に一つの事しかできなくたっていいじゃない。

英語ができるようになりたい理由は何か 目的によって勉強法は変わる

英語ができるようになりたい。

多くの日本人がこう思っています。

 

しかし、英語を勉強しよう、と口では言っていても行動に移せない人が多いのもまた事実です。

その理由の一つとして、「本当に英語を必要だと感じていない」ことがあげられます。

-日常生活で英語が使えなくて困ったことはありますか。

-あったとして、それは毎日起こることですか。

-それとも、たまたまそういったシーンに出くわしただけですか。

 

恐らく、普段は日本語だけで問題なく過ごせている方がほとんどです。

こういった人は、

 

もし外人さんに道を聞かれたとき英語でサラッと返せたらかっこいいな

バイト先に外人さんが来た時に、英語で対応できたらいいな

いつか海外で仕事をするチャンスが来るかもしれないから、それまでに喋れるようにしようかな

 

ぐらいの軽い気持ちしか持っていません。

これでは英語を勉強する必要もないし、勉強し始めてもモチベーションは続かないでしょう。

 

そもそも、「英語ができる」というのは何でしょうか。

 

学校のテストでいい点を取る

受験英語で合格ラインの点数を取る

TOEICで高得点を取る

旅行で困らない程度に話せるようになる

ビジネスで仕事の会話ができるようになる

移住しても不自由なく暮らせるくらい話せるようになる

 

人によって、またタイミングによって、ゴールは様々です。

 

実は、私自身、今あげた例を上から順番に目標としながら「英語ができる」ように勉強をしてきました。

異なる目標でしたが、その時々で結果を出すことで、英語力は向上していったと思います。

 

その勉強の中で気づいたのは、それぞれのゴール達成に必要な能力は共通する部分も多少はありますが、基本的には別物です。

単純なリーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの差もありますが、目的によって学習方法もかけるべき時間も変わってきます。

 

また、あまり遠い未来を思い描いて勉強をした時には成果が伴いませんでした。

高校時代のテスト勉強はゲームでレベルアップするような感覚で進みました。

しかし、高校時代に「いつかのために受けたTOEIC」では300点ぐらいと散々な結果でした。

 

「将来仕事で英語を使うかも」と大学時代に勉強した時も、全く身になりませんでした。

実際に海外に来ることになってから、ビジネス英語は飛躍的に成長したと思います。

 

海外赴任となったら、日常的に英語が話せないと不便極まりありませんでした。

その結果、日常会話の英語表現も柔軟に取り入れていくことができるようになりました。

思ったことを思った通りに伝えたい、そう思ったからこそです。

 

私のようにステージ毎に英語を学ぶのは非効率という方もいらっしゃいます。

「海外に留学してしまえば全ての英語能力が飛躍的に伸びる」という考えによるものです。

この理論は間違いないと思います。英語を使わざるを得ない状況に追い込まれたほうが、英語への向き合い方も真摯になり、身につくスピードも飛躍的に上昇します。

 

しかし、飛躍的に伸びた能力は定着も難しく、基本が疎かになりがちです。

例えば、1年留学して英語がペラペラになった友人は、その直後に受けたTOEICも950点という高得点でした。

しかし、しばらく英語から離れて就職した後に会社で受けたTOEICでは800点に達しなかったと落ち込んでいました。

「十分だよ」と思う方も多いでしょうが、これは間違いなく定着せずに衰えてしまっています。

 

また、現地で英語を慣らそうとすると、コミュニケーションをとることが優先されます。

そんな環境で育つと、ある程度文法が滅茶苦茶でも伝わってしまうことに気づきます。

そうすると、文法を気にせずにコミュニケーションを優先してしまいます。

これは特に1年留学程度の人に多く見られます。

実際に文法の問題や日常であまり使わないような単語の問題になると、現役高校生のほうが詳しかったりもします。

 

ステージ毎に英語を学習すると、形は違えどある程度継続的に英語を学んでいくことになり、テストでいい点を取る過程である程度基礎が頭に入っていきます。

「テストなんて実際に英語を使う場面では役に立たない」という人もいますが、テストをきっかけに勉強した内容は決して無駄にはなりません。

TOEICの点数がいいからといって英語が話せるとは限らない」というのはごもっともです。しかし、TOEICという目標に対する成果をきちんと出している人は、少なくとも一定以上の文法力はあって勉強もしてきた人と評価はされます。

目先の目標を持つことは無意味ではありません。それをきっかけに勉強することで次のステージが見えてきます。

 

何を目的として、どんなタイミングで、どんな学習方法を選ぶか、

これを見極めて、いざ英語を使いたい状況で狙った結果を出していきましょう。

そして、それを繰り返すことで、最終的に移住するもよし、外資系にいくもよしです。

 

英語は可能性の一つです。

英語を話せる人は世界の人口の4分の1程度といわれています。

つまり、20億人弱の人とコミュニケーションが取れるようになるということです。

日本語だけしか話せなければ1億人ちょっとの人としかコミュニケーションが取れません。

私が英語ができるようになりたいと思った理由の一つはここにあって、20倍ほどの情報量にアクセスできるようになる可能性があると感じたからです。

また、英語ができるようになってから、日本語の表現の奥深さに感動したのも事実です。やはり母国語でしか伝えられないような感情の機微があるのも事実です。

皮肉なことに、英語漬けの生活を強いられてから、日本語の本をよく読むようになした。

今では、英語ができるようになって、日本語も上達したように思います。

 

英語は必要に迫られなければできるようになりません。

できるようになりたければ具体的な目標に向けて、英語が必要な状況をどんどん作り出していきましょう。

目標が無ければ、まずはテストを受けるとか、とりあえず旅行に行くとかでもいいでしょう。

英語力がついてから見えてくる目標もあると思います。

 

漫然と英語ができるようになりたい、と思っているだけでは勉強もはかどりませんし、ただ時間が過ぎ去るのみです。